【エッセイ】松葉ガニ🦀を受けつけなくなった日｜心と体が教えてくれた“本当の贅沢”のかたち

なるほど。それはとても興味深いですね。

実は、人間には「ある食べ物を受けつけなくなる」という現象があります。

それは心理的な要因だけでなく、生理的なキャパシティ──つまり、身体的な限界にも関係しているんですよ。

実はこうした反応は、メンタルヘルスのバランスにも関係します。

体の不快感と心のストレスは表裏一体で、どちらかが限界を迎えると、もう一方にも拒否のサインが出るんです。

例えば、同じ食品を頻繁に摂取すると、体は「もうこの栄養素は足りている」と判断して、自然と欲求を減らす仕組みがあります。

松葉蟹には、たんぱく質・プリン体・亜鉛などが豊富ですが、これらを長期間続けて摂ると、肝臓や腎臓に少しずつ負担がかかります。体がその疲れを覚えていると、味覚や嗅覚の段階で「もうやめよう」と信号を出すようになるんです。

そうなんです。

さらに、甲殻類には微量の重金属（ヒ素やカドミウムなど）が含まれています。

通常は問題ないのですが、シーズン中に続けて食べると体に少しずつ蓄積します。
ごく軽い蓄積でも、体が敏感な人だと「なんとなく気分が悪い」「もう食べたくない」という反応に変わります。

それはとても自然な反応です。

心理学的には、認知的不協和と呼ばれる現象ですね。

「みんなは喜ぶけど、自分は嬉しくない」──そのズレを脳が処理しきれないと、
矛盾を解消するために「もう食べたくない」と感じるようになる。

つまり、脳が「これ以上不快な状況に巻き込まれたくない」と、味覚ごと拒否してしまうんです。

とてもよくわかります。

実は「味覚」と「感情の記憶」は、脳の中で扁桃体という同じ場所にあります。

だから、美味しさは“味”そのものではなく、“心の状態”で決まる。

あなたの場合、「納得していない自分が食べる高級品」という経験が、
無意識に“苦い記憶”として味覚に結びついたのでしょう。

その通りです。

食べ物に対する拒否は、心が「あなたの価値観を取り戻そう」としているサインです。

他人の“高級”を生きるのではなく、自分の“心が喜ぶ方向”にお金と時間を使う。

それこそが、本来の贅沢なんですよ。

とても素敵な気づきです。

人間の体と心は、ちゃんとつながっています。

どちらかが「もういらない」と言ったら、
それはきっと、“本当の自分”の声なんでしょうね。